【概要】
個人情報漏えいの被害で、外国人でさえ毎日のように迷惑電話、ショートメッセージによるDMを受けるという状況は、ネットワークIT技術発展の副産物である。先月21日、人民代表大会の報道官より、『個人情報保護法』が立法計画に含められたことが発表された。

社会が猛烈なスピードで発展し、インターネットの普及が急速に進む中、外国人の日常生活の中で発生するあらゆる事務手続きにも、個人情報漏えいのリスクが潜んでいます。個人情報がいったん漏えいすれば、ショートメッセージによるDM、迷惑電話が続くようになり、より悪質な場合には名義の不正使用で作られたクレジットカードでの使い込みや、冒用した身分で違法な活動が行われることさえあります。このため、外国人が個人情報の漏えいにより複雑な事件に巻き込まれた場合には、専門の弁護士に相談して対処することがお勧めされます。
個人情報の保護は、国によりますます重視されており、人民代表大会常務委員会法制活動委員会より先の8月21日、『個人情報保護法』はすでに今期の立法計画に含められており、『民法典』の「人格権編」に編入される可能性があることが発表されました。関連の法律・法規による有効な保護のほかに、外国人は日常生活や仕事をする中で、以下の事項に注意し、悪意から個人情報が漏えいされることを回避されるとよいでしょう。

1.外部での宿泊時には正規のホテルを選ぶ
ホテルに宿泊する際には、氏名、電話番号、パスポートその他の身分証明書の関連情報等を残すため、実際にホテルから顧客の情報が漏れたというケースが存在するため、なるべく正規の適法な資格を備えた大型ホテルを選ぶことが勧められます。

2.航空券、チケット、配送伝票、銀行残高明細等の適切な処理
これらの証憑上には氏名、身分証明書番号、銀行カード番号、消費履歴等の情報があり、みだりに捨てると個人情報の漏えいに繋がりやすくなります。

3.証明書類の写しの使用に注意
銀行口座開設、携帯電話番号の登録、各種の会員カードを作る等の場合、パスポート又はその他の身分証明書の写しの提出が求められることがありますが、信頼できる手続機関を選ぶことをお勧めします。

4.信頼できるインターネットショッピングサイトを選ぶ
eコマース時代の到来とともに、ますます多くの外国人がネットショッピングに接触するようになっています。e コマースプラットフォーム間の競争はいっそう激しさを増しており、多くの新たなプラットフォームが利用者を惹きつけるために大規模な割引キャンペーンを行っています。外国人が新たなeコマースプラットフォームを利用するにあたっては、そのプラットフォームが適法な資格を持っているか、事前に確認することをお勧めします。

5.ネット調査やキャペーンへの参加は慎重に
日常生活において、各種のアンケート調査、ショッピングのくじ引きや無料お試し等のキャンペーンに触れることがよくあり、こうしたキャンペーンでは通常詳細な連絡先情報、住所等の個人情報の記入が求められます。参加する前には注意して主催業者を確認し、個人に関する情報を軽率に記入して情報が漏えいすることは避けたいものです。

6.外部からの情報を気安く信じず、自分からは個人情報を開示しない
よくある特殊な詐欺の形式として、外国人の一部の情報を把握した違法者が、公安や政府機関の者になりすまし、電話やインターネットを通じて、ひどい場合は脅しの方法により、外国人の個人情報を直接又は間接的に取得するというものがあります。

以上、弊所の実務経験から個人情報保護に関しての留意事項を申し上げました。個人情報が漏えいすると、外国人の日常生活や仕事に大きな支障をもたらすため、十分に注意して保護することが必要です。個人情報の漏えいに関してお困りのことや、その他の問題がある方は、弊所に詳しくご相談ください。

作成日:2019年09月25日