報道によると、2021年3月9日、山東省煙台市福山区で輸入コンテナ貨物(国外から仕入れた自動車部品)について、PCR検査と煙台市疾病対策センターによる再検査が行われていずれも陽性結果が出たため全てを封印し、接触した関係者も全員、隔離観察及びPCR検査を受けることとなりました。
このニュースにより、コールドチェーン以外の輸入一般貨物に対する社会の関心が再度高まっています。実は今年1月から、各地方政府では企業にコールドチェーン輸送以外の一般貨物についてもPCR検査や予防消毒の措置を取るよう要請を始めていました。政府の視察を受けて要求を満たさないと判断された企業は、操業停止・整理要求、関連事情の一般公開、信用システムへの記録、合同懲戒等を受ける可能性があります。
政府機関が行う企業視察において重点的にチェックされる項目は以下とされています。
1.コールドチェーン感染対策防疫管理システムへの登録、貨物ごとの入出庫情報の登記を行っているか
2.コールドチェーン品以外の輸入高リスクコンテナ貨物に対する検査、予防消毒業務案を制定し、応急マニュアルを制定しているか
3.3日に1回、7日に1回の頻度要求の通りPCR検査を行い、結果を適切に記録しているか。
4.予防消毒は要求通りに実施しているか
5.サンプル採取の頻度、数量、部位及び方法が要求に適合しているか
6.従業員が正確に防護用品を着用し、個人の衛生に注意しているか
7.手袋、マスク、防護服等の物資の備蓄量が十分か
◆日系企業へのアドバイス
上記以外にも、政府により通常点検が行われるその他の項目は、各地によっても視察の重点が異なり、テクニックを有効に使った政府機関との交渉が鍵となります。また、煙台市の事例を受け、各地方政府では今後さらにコールドチェーン以外の輸入貨物に対する監督管理が強化されることも予想されるため、日系企業にて関連政策に十分ご注目いただき、ご不明な点は弁護士にお問い合わせいただければと存じます。