先ごろ北京では、オミクロン種の潜伏期間が比較的短いという特性から、海外からの入国者及び国内の濃厚接触者に要求する集中隔離日数が14日から10日に短縮されました。これに類似する政策の試験運用は広州、大連、青島等の8都市でも行われ、同様の対応を取っている都市もあります。この政策は、国際間のサプライチェーンの連携を保証するもので、各業界に歓迎されるものながら、当該政策が各都市ごとの管轄によって実施されることにより、入国時の隔離政策が地方により異なっている実態に、大きな困惑を招いています。各地の入国政策をいかにして確認し、実際の対応と現地企業の実状を合致させるかが重要な検討課題となっています。
1.中国現地の防疫政策の正確な把握
(1)中国の政府部門の発表した防疫政策について情報を得た場合、その情報が公式メディアによって発表、公開されたものかどうかを調べる。
(2)防疫政策によっては期限付きのものがあるため、その政策情報が中国現地の実状に合致するものかどうか、さらに調べる。
弊所でも、本社で入手された関連政策情報について、真実性、正確性及び中国現地の実状を確認するサービスを提供しておりますので、随時ご遠慮なくお問い合わせください。
2.現地政府部門に政策条文の解釈及び執行について確認
各地の防疫政策は都市ごとに実施されるため、防疫政策の条文の理解や取扱いについて、現地政府部門や社区等に確認を取る必要があります。理解や判断が誤っていた場合、従業員への業務や出張指示に影響を及ぼす可能性があります。
3.確認結果に基いて適切な人事案の設定を
企業では、現地で実施されている防疫政策及び中国現地企業の実状を踏まえて、外国籍の人員をどこから入国させるかや、従業員に濃厚接触者や二次接触者が出た場合の対応等々、状況に合った人事案を設定するとよいでしょう。
◆ 日系企業へのアドバイス
入国者に対する隔離政策は都市や社区によって異なる可能性があるため、日本本社及び現地企業では現地政府部門及び社区による防疫政策の執行状況を確認した上で、会社の実状に合った対応案を設定する必要があります。政府部門との交渉が必要となった場合は、経験豊富な弊所に随時ご相談ください。