12月19日、駐日本中国大使館は、一部ビザの指紋採取免除を継続することに関する通知を発表しました。この通知は、駐日本中国大使館が2023年8月9日より実施している一部ビザの指紋採取免除政策を継続することに関するもので、今後も一定期間、ビジネスや観光で訪中する外国人のビザ申請手続きを軽減する政策です。そこで今回は、中国に訪れる日本企業・関係者の皆様にご参考いただけるよう、簡潔に当該通知についてご説明いたします。

1. 指紋採取免除期間を延長
   前回の通知により、すでに2023年8月11日から2023年12月31日までの期間、駐日本中国大使館は中国ビザ申請者(香港、マカオへのビザ申請者を除く)に対し、両手10本指の指紋採取を免除していました。
   この指紋認証免除期間が間もなく満了することを考慮し、駐日本中国大使館が当該通知を発表したことによって、さらに2024年12月31日まで、中国ビザ申請者が中国ビザ申請サービスセンター(東京、名古屋)にビザ申請を提出する際の指紋採取免除が継続されることになりました。 この新たな通知は指紋採取免除政策をさらに1年間延長するものとなっていますが、その後引き続き実施されるかどうかは今のところ未確定です。

2. 申請できるビザの種類と回数は引き続き制限
   これまでの通知要求と同様、以下の5種類に対する指紋採取免除政策が実施されます。
①Mビザ(商業・貿易)
②Lビザ(観光)
③Q2ビザ(親族訪問)
④Gビザ(トランジット)
⑤Cビザ(乗務員)
   新しい通知発表後も、上記5種類のビザは引き続き指紋採取免除政策の対象となります。ただし、就労ビザや就学ビザなど長期ビザを申請する場合は、引き続き指紋採取が求められています。
   なお、上記の短期滞在ビザを申請であっても、マルチ(多次)ビザを申請する場合は指紋採取が必要となっており、指紋採取免除となるのはシングル(一次)またはダブル(二次)ビザに限られています。

◆日系企業の皆様と訪中する皆様へのアドバイス
   上記の中国ビザ申請者は、原則として引き続き指紋採取免除政策の恩恵を享受することができますが、駐日本中国大使館・領事館により、申請者に対し指紋採取が必要であると判断されるケースが出てくることも否定できず、その場合は中国ビザ申請サービスセンターから追加指紋採取が必要であることが通知されます。指紋採取の主な目的は、中国への入国者の管理を強化することであり、政府部門による指紋採取は中国においてごく一般的に行われるものですので、ビザ申請の際も過度な心配は不要と言えるでしょう。