Q.日系メーカーの当社では、「就業規則」で1日に1時間の昼休憩を定めています。
従業員は、概ね昼休みに食堂で昼食を取った後、作業場に戻って休憩を取りますが、中には弁当を持参するか、食堂の食事を作業場に持ち込んで食事を取る従業員もいます。昼休憩の時間は、勤務時間に含まれるのでしょうか。

A.一般的に、昼休憩は勤務時間に含まれないとされています。『労働法』等の関連する法律には、勤務時間に昼休憩を含むかどうかが明確に規定されておらず、企業が経営上の必要性に応じて自ら規定することができます。実務においては、会社の規則制度、労働契約、従業員が時間を自由に支配できるか等を考慮したうえで判断する必要があります。例えば、規定では昼休みを設けているものの、従業員が生産設備をモニターする必要があり、作業場を随意離れることができないという場合、従業員はその時間を自由に使うことができないため、この時間は勤務時間と認定されます。休憩時間と勤務時間の混同を避けるため、日系企業では次の点に、ご注意頂くことをお勧めいたします。

1.会社の規則制度及び労働契約書の中で明確に規定しておく。
(1)会社の規則制度及び労働契約書の中で、勤務時間及び休憩時間について明確に規定し、「休憩時間は、勤務時間に含めない」ことを明記しておく。
(2)会社の規則制度、生産作業マニュアルの中で、休憩時間中に作業エリア内で業務を処理することを禁止し、休憩時間に勤務する必要がある場合には、事前に書面で時間外勤務を申請し、承認を得た場合に限り時間外勤務ができることを明確に規定しておく。

2.社内に休憩スペースを設置し、従業員にそこで休憩を取らせる。
(1)会社の条件が許す範囲で、社内に休憩スペースを設置し、従業員はそこで休憩するか、会社の外部で休憩させるようにする。
(2)休憩時間中はPCを閉じ、生産設備を一旦停止し、作業場を離れる等、作業の性質に合わせた休憩の方式を定める。従業員が十分に休憩を取ることを確保するとともに、事故や労災の発生の回避に努める。

作成日:2019年09月12日