10月29日、最高人民法院ウェブサイトの一般交流欄に『医薬品上市審査評価・審査認可にかかる特許民事事案の審理の法律適用にかかる若干の問題に関する規定』(意見聴取稿)が公開され、企業又は個人は信書又は電子メールを送ることで、自らの意見を提出することができると告知されました。企業が新法規に対する自身の意見を伝える方法にはどのようなものがあるでしょうか。
◆企業が法律の草案に対する自らの意見を提出することの必要性
近年、中国の法治化の取組みが進められるのに伴い、中国の立法件数が増え、そのスピードも迅速化し、一般大衆の立法への参加意識も高まり続けています。法律は一旦制定・施行されると、強制的な拘束力を持つものとなります。特に、企業の利益に関わる法律、法規である場合には、企業の生存や発展により大きく関係するものとなります。このため、企業が法律・法規の制定に参与し、それらが正式に公布される前に自らの提案や意見を提出することの必要性は非常に高いものがあります。
一方で、企業が政府機関や司法機関に提案を出したいと考え、自らの提案が採用されることを希望していても、アクセスや伝達の手段や方式がよくわからず、意見を提出することはあまりないという声もよく聞かれます。今回はいくつかの方法をご紹介しますので、そのような日系企業のご参考になれば幸いです。
◆企業から意見をフィードバックする手段と方式
1.最高人民法院への意見提出方法
(1)最高人民法院ウェブサイトにアクセスし、「公衆互動(一般交流)」欄より、現在パブリックコメント中の法規、意見・提案の提出方式を確認することができます。一般には信書や電子メールでの意見提出を受け付けています。
(2)上記の方法以外にも、「最高人民法院」のWeChat公式アカウントやウェイボーをフォローして最新の法規に関する情報を取得し、自身の意見を提出することができます。
2.全人代及びその常務委員会への意見提出方法
(1)全人代ウェブサイト「中国人大網」にアクセスし、「法律草案征求意見(法律草案意見募集)」欄から、パブリックコメント中の法律草案を確認でき、オンラインもしくは信書により自らの意見を提出することもできます。現在は上記の方法により、『個人情報保護法』(草案)に対する提案又は意見を、11月19日まで提出することが可能です。
(2)上記の方法以外にも、全人代のWeChat公式アカウント、スマートフォンアプリ、ウェイボー等から随時法規に関する情報を取得し、自身の意見を提出することができます。
さらに上記の手段や方式のほかに、「中国政府網」、商務部、工業・情報化部等の各機関のウェブサイト又はWeChat公式アカウントにアクセスし、「公衆参与(一般参加)」、「互動交流(相互コミュニケーション)」又は「公衆留言(一般伝言板)」等の欄より企業に関連のある法律や法規の草案を確認することができるようになっており、各機関の指定する手段又は方式により積極に自らの提案や意見をフィードバックすることが可能です。
◆日系企業へのアドバイス
企業関連の法律・法規は、その内容及び規定が企業の生存や発展に関係するものとなります。このため、日系企業が法律の制定段階から参与し、できるだけ自らの提案又は意見を提供することが必要です。これは企業の適法な権益を守ることにも繋がるため、日系企業には積極的な参与をお勧めいたします。重要な法規に関する情報があるときには、弊所からも随時皆様にお知らせいたします。