最近一部地域において新型コロナウイルス感染が再発しており、春節を控えて各地で人の移動が増える中、感染対策をより徹底するため、1月18日、山東省委員会弁公庁、山東省政府弁公庁が相応の措置を制定し、最新の防疫通知を公布しました。防疫措置には企業及びその駐在員に大きな影響のある内容も少なからず含まれており、今回は通知のポイントと留意点をご紹介いたします。

◆通知のポイント
1.重点防疫地域に赴く/通過する/戻る人員に関する防疫措置

   春節が間近となり、従業員に中国国内出張の予定がある企業も多いかと存じます。通知の要求により、重点防疫地域への出張、それらの地域の通過があるか、14日以内にそれらの地域から戻る者は、以下の防疫政策を全て遵守しなければならないとされています。
(1)3日前までに所属する企業・組織、社区に本人の行程を提出する。
(2)移動先の重点防疫地域の感染リスクレベルにより、異なる防疫措置を適用する。
移動先の重点防疫地域が「低リスク地域」である者は、1回のPCR検査を受ける。
14日以内に「中、高リスク地域」に滞在した者には、「7+7」及び「3+1」の措置を適用する。「7+7」とは、7日間の自宅隔離に7日間の健康モニタリングを加えた措置、「3+1」とは山東省に戻りただちに2回目のPCR検査(間隔は24時間)を受けた後、自宅隔離7日目にPCR検査を1回、自宅隔離5~7日目に血清IgM抗体検査を1回受ける措置となります。

2.大くの人が集まる活動は原則禁止
   各種協会組織の忘年会、商業交流会、販売促進会等の大型イベントは中止を要請される可能性があります。どうしても実施する必要がある場合は、現地の防疫指揮部による審査認可を受けなければならず、現在審査認可は非常に厳しくなっています。

◆留意点
1.現在、「重点防疫地域」は、省レベルの行政区域ごとに指定されています。重点防疫地域は主に、その行政区域内に中・高リスク区域となっている省市が含まれる地域をいい、現時点では河北省、北京市、内モンゴル自治区、遼寧省、吉林省、黒竜江省が重点防疫地域とされています。
2.通知では、14日以内に重点防疫地域に滞在した者は、PCR検査を受けるよう要求されていますが、実務においては感染対策をより徹底するために、地方によってさらに長い期間が設定されていることがあります。例えば、従業員が21日以内に重点防疫地域の低リスク区域から山東省に戻った場合にもPCR検査を受けるよう要求される可能性はあり、具体的には各地の要求に準ずるものとなります。

◆日系企業へのアドバイス
   現在、一部の地域で感染が再発しており、山東省では重点防疫地域に赴く人員及び出張から山東省に戻る人員に対する防疫要求が厳格化されています。各日系企業で近く従業員に防疫重点地域への出張を予定している場合、事前に出張目的地の社区及び自身の居住する社区に出張先及び山東省に戻ってから適用される政策の要求を確認する必要があります。会社の従業員及び他人の健康を守るため、不要不急の用事については、感染流行が落ち着いてから出張することとし、業務やり取りにはリモート会議方式等を活用することをお勧めいたします。今後最新の政策が出た際には、弊所より速やかに皆様と情報を共有させていただきます。