4月27日、山東省政府弁公庁より『通関地のビジネス環境のさらなる改善とクロスボーダー貿易の利便化の促進に関する通知』(以下『通知』という)が公布され、即日施行となりました。
   『通知』では6項目21条にわたり具体的措置が打ち出され、これらの措置は日系企業を含むクロスボーダー貿易企業の貨物、技術等の通関手続きを大いに利便化するものとなっており、今回は『通知』のポイントとなる内容をご紹介いたします。

◆『通知』のポイント
1.税関の貨物申告、監督管理、検査等において、手続き時間を短縮し、効率を改善

   企業は「事前申告」、「2ステップ申告」等から自由に通関方式を選択でき、輸送上の特殊要求(冷蔵輸送等)のある貨物については、税関に予約のうえで工場や倉庫での検査を受けることで、企業の待ち時間がより短縮されました。(第1条)
2.書類の取得申請、審査確認を簡素化
   「オンラインのスマート自動審査交付+人の手による集中分類審査交付」等のバーチャル審査交付プラットフォームの導入により、原産地証明書審査交付の効率が高められました。また、輸入、輸出手続きの際、契約書やパッキングリスト等の商業証票の提出は基本的に免除され、必要な場合にのみ要請を受けて提出すればよいとされています。(第2条)
3.通関のIT化、ペーパーレス化を促進
   「窓口の一本化」により、通関物流の全過程が可視化され、企業の輸出税還付手続きがより行いやすくなりました。これにより通関の透明性が高まり、企業が通関状況に基づき予想を立て、事前に生産経営を調整することが可能となります。(第4条)

◆ 日系企業へのアドバイス
   『通知』では上記のような利便化措置のほかにも、通関地の費用徴収行為への規範化、監督管理を行うとともに、商務庁には「対外貿易、外資の安定化」サービスプラットフォームの役割を発揮するよう求め、24時間体制で企業からの要望を受け付け、対応処理を行えるようになっています。各日系企業でも、これらの利便化政策について積極的に情報を取得し、有効に活用することで、通関にかかるコストや手間を節約できるようになります。