6月14日、国家市場監督管理総局弁公庁は『重点工業製品の品質・安全上の潜在的危険性の排除・管理に関する特定行動展開に関する通知』(以下『通知』という)を発布し、各地区政府に対し8月末までに重点工業製品の品質安全上の潜在的危険性のリスクの排除・検査を完了し、10月末までに管理を完了するよう通達しました。この特定行動は、重点工業製品の生産・販売に携わる企業にかなり大きな影響を与えます。今回は、この『通知』の一部の内容と要点を以下に紹介し、各日系企業の皆様の参考に供したいと思います。

1.重点的に監督管理される製品を列挙
   この『通知』では、重点的に監督管理される18種類の製品を挙げており、例として、危険化学品、電動自転車、電動自転車充電器と電池、電動自転車用乗員ヘルメット、ガス用品、高齢者用品(例えば高齢者下着、靴、眼鏡、成人用紙おむつ、便座など)、食品用紙包装と容器などの製品、電熱食品加工設備、ヘルメットなどがあります。
   実際にリスク調査を行う際には、これら18種類の重点製品だけをサンプル検査するわけではありません。工業製品の生産許可証の管理、強制的な製品認証管理、およびパーソナルヘルスと生命財産の安全に関連する強制的国家基準要求がある重点工業製品についても、今回のリスク排除行動の監督管理の範囲に組み入れられています。(『通知』第2条第1項)

2. 生産および販売企業が重点的に注意すべき問題
(1)生産販売分野に対する監督管理の重点問題
   この『通知』は生産、販売分野に対する監督管理の重点問題、例えば、①無免許生産、②範囲外生産、③未検査出荷または出荷検査記録の不備、④手抜き、不純物混入などを列挙しています。(『通知』第2条第1項)
(2)政府当局の現場検査重点事項
   この『通知』は各地の市場監督管理部門が現場調査を行う際に重点的に検査すべき事項を指定しました。例えば、生産許可証取得企業に対する重点的検査ポイントは以下の通りです。
①主要原材料、生産過程、出荷検査などの主要な品質コントロールポイントが適切であるかどうか。
②生産場所、生産設備、検査設備などが規定の要求に合致しているかどうか。
   他の類型の生産企業については、製品の整合性と基準適合性が重点的に検査されます。販売企業に対する重点検査については主に以下の通りです。
①仕入れ検査制度、販売台帳制度の設置と実行状況。
②販売元不明、偽物・粗悪品などの状況。(『通知』第2条第3項)
   各関連企業の皆様は、市場監督管理部門が実際に行う企業に対する調査において、その他の製品品質に関しても、生産、販売過程で可能性のある事項に関連する検査を排除しているわけではない、という点にご留意ください。

◆日本企業へのアドバイス
   今回の重点工業製品の品質・安全上の潜在的危険性の排除・管理に関する特定行動は、各地区市場監督管理局が執行担当するもので、地域によって執行状況が異なりますので、現地政府当局の要求に準じて対応する必要があります。
   関係する各日系企業の皆様は当該『通知』に関連する内容を適時に正確に理解し、政府当局の重点検査事項と結び付け、独自に或いは現地弁護士の協力により、製品品質上の潜在リスクと危険性について自主検査とコンプライアンス是正を実施することをお勧めいたします。 法執行検査に面した場合は、担当者と緊密にコミュニケーションを取り、相互に交渉、説明の場を設け、処罰リスクなどを回避または軽減することができるでしょう。