国務院は4月12日、上場企業の市場参入、経営管理、上場退出、証券ファンド市場に対する規制や監督・監理を厳格化する、『監督強化とリスク防止による資本市場の質の高い発展の促進に関するいくつかの意見』(以下、『意見』)を発表した。当該『意見』は 9項目の部分で構成され、2004年と2014年に発布された『国九条』に続き、国務院が10年ぶりに改めて発布した資本市場に関連する指導的文書で、上場企業や証券ファンド市場の広範な議論や注目を集め、株式市場や資本市場に大きな影響を与えている。 今回は当該『意見』について、以下に簡単に説明する。

(1) 企業の上場基準の引き上げと監督・監理の厳格化
   当該『意見』発表後は、メインボード、創業板(チャイネクスト)、科創板(SSE STAR Market)への上場を希望する企業に対する審査基準が厳しくなり、上場がより難しくなる可能性がある。 『意見』の中で、中国政府部門は、「清倉式」配当(例えば上場前に多額の配当を行うとともに、募集予定の資金の大部分を企業の流動資金として使用する)などの状況を発行市場のネガティブリストに含め、「清倉式」配当による一部企業における利益移転や債務逃れを防止するとしている。 (『意見』第2部分)

(2)上場企業の経営コンプライアンス要件の高まり
   この『意見』の公表により、上場企業は、情報開示や企業コンプライアンス及びガバナンス、現金配当及び株式減資などの面において、より厳格な規制及び監督・管理を受けることになる。 これに伴い、長年配当を実施していない企業や、配当分配率が低い企業については、大株主が持分を減らす際に制限がかかる可能性がある。 (『意見』第3部)

   上記に挙げた点からも分かる通り、当該『意見』公布は、中国上場予定企業、上場企業、証券ファンド市場に従事する外資企業・組織にとって、会社の生産経営及び運営規則の大きな変化を意味している。そのため、この先 『意見』の新ルールに適応する企業コンプライアンスとガバナンスの実現と発展をどのように行き渡らせるかは、中国上場予定企業、上場企業、証券ファンド機関などにおいて今後議論すべき重要な課題の一つであると言える。